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弁護士・本城昭彦の法律コラム

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弁護士費用改定のお知らせ

代表弁護士の本城です。
いつもe離婚相談室ホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

さて、e離婚相談室では、常日頃から、無料レポートをダウンロードいただいた方々やお問い合わせをいただいた方々より、多くのご意見やご要望をいただいておりますが、その中に、「法律相談料をもう少し安くしてほしい」とのご要望が複数ございました。
e離婚相談室では、より多くの方にサポートをご利用いただけますように、これまでも、継続的サポートの弁護士費用につきましては、ご提供する各サポート内容の品質に比し、低廉な価格設定をさせていただいておりましたが、その一方で、法律相談料につきましては、旧弁護士会の報酬等基準規程をそのまま踏襲させていただいていたため、ワンポイントでのご利用をお考えの方のご要望には必ずしも十分にお応えできておりませんでした。
そこで、e離婚相談室では、より多くの皆様に当相談室のサポートをご利用いただけますように、この度、法律相談料の値下げ改定をさせていただくことに致しました。
改定後の法律相談料は、1時間につき8,400円となります。
※平成22年8月6日以降にお申込みいただいた方から新料金が適用されます。

また、同時に、「相手方との話し合いの代理サポート」につきましては、完全なオーダーメイドであるというサポート内容の性質に合わせ、その費用につき、ご相談者に特有のご事情や各事案の難易度等を踏まえて個別に算定させていただく「見積り制」を導入させていただくことに致しました。
これにより、例えば、「離婚の合意はほぼできているが、離婚条件の一部につき争いがある」といった、比較的軽微な事案等につきましても、安心して弁護士を代理人としてご利用いただくことが可能となります。
なお、弁護士費用の具体的なお見積りにつきましては、詳しいご事情をお伺いすることが前提となりますので、法律相談サポートをご利用いただいた方に限らせていただきます。
お見積りをご希望の方は、まずは法律相談をお申込みいただければ幸いです(なお、お見積り後、実際に当サポートをお申込みいただいた場合には、法律相談料は無料となります。)。
メール(お申込フォームも含みます)や電話でのお見積り依頼にはお応えできませんので、この点ご了承ください。 

今後ともe離婚相談室をよろしくお願い申し上げます。

親権(その1) ~父親は親権を取得できないのか?~

おかげさまで、e離婚相談室では、日々多くのご相談をいただき、所員一同大変忙しくさせていただいております。
法律事務所が繁盛することは、まだまだ社会に多くの問題や不幸が存在することの証左といえますので、一概に喜んでいいことではないのかもしれません。しかしながら、無事問題が解決し、お客様の晴れ晴れとした表情に出会うと、やはり、日々の忙しさの中に、弁護士として、ふと大きな喜びや充実感を感じてしまいます。
離婚問題に悩む皆様の少しでも力になれるように、これからも全力を尽くしてまいりますので、今後ともe離婚相談室をどうぞよろしくお願い致します。

さて、今回は、無料レポートをダウンロードいただいた方からのご質問についてのコラムです。

『子どもがまだ小さいのですが、やはり、この場合、父親は親権を取得することはできないのでしょうか?』

親権問題でご相談にいらっしゃる方は、父母ともに大変多いのですが、相談者が父親の場合、特に子どもが幼いケースでは、上記のように、はなから親権の取得を諦めてしまっていることが大抵です。逆に、母親の相談者の場合には、「母親である」というだけで、必ず親権は取得できるものと思い込んでいる方が多いのが印象的です。
確かに、親権の所在についての家庭裁判所の判断基準には「母性優先の原則」という基準が存在しており、特に乳幼児期の場合には、この基準が強く働くと言われています。
しかしながら、この基準があるからといって、子どもが幼い場合に、必ず母親の側に親権の取得が認められるというわけではありません。母親の側の環境に、子どもの監護を続けていく上での問題が多く見受けられ、これに対し、父親の側の監護環境にこれといった問題が認められない場合には、子どもの年齢に関わらず、父親の側に親権の取得が認められるのが通常です。
つまり、裁判所は、父母の監護能力や経済状況、従来の監護状況といった父母双方の事情や、子どもの心身の発育状況や子ども自身の意思といった子どもの側の事情等を比較検討し、子どもの福祉にとって、父母どちらの下で監護されるのが最善であるかを実質的に判断しているのであって、「ただ母親だから」という形式的な事柄で親権の所在を判断することはしていないのです。
ただし、父母の親権者としての適格性が、優劣を付け難いほど拮抗している場合には、「母親である」ということそのものが重要な意味を持ってくることになります。この場合、多くは母親の側に親権の取得が認められることになります。
すなわち、「母性優先の原則」とは、父母の監護能力や経済状況といった子の監護に関わるあらゆる事情を比較検討した上で父母双方の監護環境の優劣=親権者の適格性を判断すべきところ、その判断がつかなかった場合にはじめて前面で機能する判断基準であると理解するのが正しいと言えるでしょう。

したがいまして、あなたが父親であるからといって、また、子どもが小さいからといって、親権の取得を諦める必要はありません。
あなたが、子どもに対し深い愛情をもち、そして、「あなたの」ではなくあくまで「子どもの幸せ」にとって最善の監護環境を用意することができるという確たる自信をもっているのであれば、父親であるということに負い目を感じることなく、積極的に親権を主張していくべきでしょう。

次回は、実際に、家庭裁判所はどのような判断をしているのか、親権に関する事例を紹介する予定です。

婚姻費用の分担(その3)~婚姻関係破綻の有無等と分担義務の程度との関係

婚姻費用を請求する側(権利者)は、いかなるときでも標準算定方式(婚姻費用の分担(その2)をご参照ください)に基づいて、相手方に婚姻費用を請求できるというわけではありません。
権利者に婚姻関係破綻の原因があるなどの特別な事情があり、それを証拠上容易に認定できる場合には、裁判所は、婚姻費用を負担する側(義務者)の義務の程度を軽減することを認めています。
即ち、通常は、婚姻費用を負担する側(義務者)が、請求する側(権利者)に対し、自己と同程度の生活を保障する義務(「生活保持義務」)を負うことになりますが、婚姻関係の破綻の有無・程度や破綻に至った責任の有無に応じて、上記分担義務が「生活扶助義務」(権利者が健康で文化的な最低限度の生活をするための援助をする義務)のレベルまで軽減される場合があることを、判例は認めているのです。
以下、場合を分けて判例や学説の考え方を見ていきたいと思います。

①婚姻関係がまだ破綻していない場合
婚姻関係がいまだ破綻していないケースでは、当然のことながら義務者は、権利者に対し、自己と同程度の生活を保障する義務(生活保持義務)を負うことになります。
すなわち、この場合、婚姻費用は標準算定方式により算定されることになります。

②婚姻関係が破綻し、義務者に破綻に至った責任がある場合
この場合にも、義務者は、権利者に対し、自己と同程度の生活を保障する義務(生活保持義務)を負うことになります。従いまして、原則として婚姻費用は標準算定方式により算定されることになります。
ただし、夫婦が非常に長い期間別居を続けているなど、婚姻関係破綻の程度が著しい場合には、義務者の義務が、生活扶助義務にとどまることもあるとする学説も存在しています。

③婚姻関係が破綻し、双方に破綻に至った責任がある場合
標準算定方式が公表される前の判例では、義務者の婚姻費用分担義務は、生活扶助義務のレベルまで軽減されるとされておりましたが、同算定方式が公表された後は、判例は、義務者の義務は軽減されないとし、同算定方式によって、婚姻費用を算定する考え方を取っております。
ただし、②の場合と同様、破綻の程度(別居の長期化等)によっては、義務者の義務が軽減されることもあるとされております。

④婚姻関係が破綻し、権利者に破綻の責任がある場合
いわゆる有責配偶者からの婚姻費用の分担請求のケースですが、この場合には、権利の濫用として、分担請求が認められない場合があります(仮に認められても、生活扶助義務のレベルにとどまります。)。夫婦は婚姻費用の分担を含む婚姻義務を互いに誠実に履行するべきですが、それを履行しない者が相手方に対してのみ履行を求めるのは、信義則ないし婚姻義務の相互性に反すると考えられるからです。
ただし、婚姻費用のうち、配偶者の生活費にかかる部分が権利濫用として否定された場合でも、子の監護養育の費用にかかる部分については、生活保持義務のレベルで、費用負担が認められることになります。

以上が、おおまかな判例及び学説の考え方です。
参考にしてみてください。

婚姻費用の分担(その2)~婚姻費用分担額の算定方法

家庭裁判所では、東京及び大阪の裁判所の裁判官を中心として組織された東京・大阪養育費等研究会が提案した婚姻費用の算定方式(以下、「標準算定方式」といいます。)とこれによる簡易算定表を用いて、婚姻費用の具体的な分担額を算定しております。
婚姻費用の分担額を夫婦間の話し合いで決める場合にも、目安として、この標準算定方式を参考にするとよいでしょう。

①義務者の基礎収入(X)及び権利者の基礎収入(Y)を認定する。
まず、婚姻費用を支払う側(義務者)と受領する側(権利者)の基礎収入を認定します。
基礎収入の算定方法は、次のとおりです。
●サラリーマンの場合 : 税込収入 × 0.34~0.42
●自営業者の場合 : 課税所得金額 × 0.47~0.52

②権利者及び子どもの生活費(Z)を算定する。
次に、生活指数(権利者・義務者は各100、15歳未満の子は55、15歳以上の子は90となります。)に基づき、権利者及び同居の子の生活費(Z)を算定します。
算定式は次のようになります。

Z = (X+Y) × {(100+C) ÷ (100+100+C)}
※C(同居の子の生活指数)は、子の年齢に応じた生活指数(55ないしは90)に人数分を乗じて算定します。

③義務者の負担すべき婚姻費用の分担額を算出する。
権利者及び同居の子の生活費(Z)から権利者の基礎収入(Y)を差し引いて、義務者の負担すべき婚姻費用の分担額を算出します。
算定式は次のようになります。

義務者から権利者に支払うべき婚姻費用の分担額 = Z - Y

特別に考慮すべき事情に基づく費用Aを加減して、最終的な分担額を確定する。
義務者が、別居後も、権利者の住居費を支払っている場合など、特別に考慮すべき事情があれば、その分を加減して、最終的な分担額を確定します。
算定式は次のようになります。

最終的な婚姻費用の分担額 = Z - Y ± A 

 では実際に、計算してみます。
例えば、権利者の税込収入が200万円、義務者の税込収入が500万円、権利者と同居する子が5歳の子1人、16歳の子1人のケースでは、

X = 500万円 × 0.4 = 200万円
Y = 200万円 × 0.4 = 80万円

Z = (200万円+80万円)×{(100+55+90)÷(100+100+55+90)} = 198万8405円

198万8405円 - 80万円 = 118万8405円

となり、
義務者の月額婚姻費用分担額 = 9万9000円程度
と算出されます。

 もし、上記の例で、義務者が、別居後も権利者の住居費(年額60万円)を支払っていれば、義務者の最終的婚姻費用分担額は、

198万円8405円-80万円-60万円 = 58万8405円

となり、
義務者の月額婚姻費用分担額 = 4万9000円程度
と算出されます。

参考にしてみてください。

婚姻費用の分担(その1)

離婚を真剣に考えはじめた場合、当事者の多くは、「別居」という選択肢について検討することになろうかと思います。別居期間は、家族生活の激変期です。経済的にも、精神的にも苦しい期間となります。この苦しい別居期間中の生活をどのように維持していくかという点は、当事者が最初に直面する難題と言えるでしょう。
そこで、法律コラムでは、別居中の問題の中から特に重要を思われる「婚姻費用」について取り上げてみたいと思います。

●婚姻費用とは?
婚姻費用とは、夫婦が普通の生活をするために必要な一切の生計費のことをいいます。
法律的に結婚すると、夫婦は婚姻費用をお互いに負担していかなければなりません。この婚姻費用の負担義務は、別居期間においても免除されることはありません。したがいまして、別居後に、夫婦の一方の生活が経済的に苦しくなった場合には、当該夫婦の一方は、相手方に対し、婚姻費用として、離婚に至るまでの生活費の支払いを請求することができます。

●いつの時点からの分の婚姻費用を請求できるのか?
裁判例では考え方が分かれているようですが、権利者(請求する側)から分担義務者(支払う側)に対して請求がなされたときからの分と考えるのが通説のようです。したがいまして、別居後、長期間が経過した後に、過去の分の婚姻費用を請求しても支払ってもらえない恐れがありますので注意が必要です。

 ●どのくらい請求できるのか?
婚姻費用を負担する側は、権利者(請求する側)に対し、自己と同程度の生活を保障する義務を負うことになります(生活保持義務)。したがいまして、権利者は、相手方と同レベルの生活をするために必要な分の婚姻費用の請求をすることができます。

次回は具体的な婚姻費用分担額の算定方法について投稿する予定です。